1946年に発表された「FSW(Folding Screen in Wood)」

当時、カタログに掲載されたものとしてはウッドパネルが
6、8、10枚の3パターン。
高さにも2仕様設けられ、それぞれフルサイズの68inchと
ハーフサイズの34inch。

今回当店に入荷したのはウッドパネルが6枚、高さはフルサイズの
68inchの個体。

FSWはプライウッドのパネルとその間に組み込まれている柔軟性の高いコットンキャンバス生地の2パーツのみの構造。

6枚すべてのパネルは均等に同じ形をしておりそのユニークな形状はほかにスタンドを要することなく自立することを前提に算出されたもの。
パネル間に配されたキャンバスは全体を折りたたむことを可能にもしている。

こうすることで使用時にも保管時においても最大限の省スペースを実現した。

第二次大戦後、住宅やテナントなど目的を問わず建物というのは
コンパクトに設計され、用途が共有される空間が多く存在した。
この時代にとって間仕切り（パーテーション）は大きな役割を
担うものとして重宝された。

近年ではFSWのようなパーテーションの需要は世界的にも
低下しているアイテムかもしれない。

潮流に逆行する美学とでも言おうか、こんな現代においてこそこの手のアイテムを本来の用途通りに限らずとも壁面装飾物として

ディスプレイすることをお勧めしたい。

一見、コーディネートに取り入れることが難しそうで腕を試されるアイテムと嫌煙されるかたも少なくないかもしれない。

ただ、壁面に対して平行に寄せて配置するだけでもプライウッドの凹凸感によって演出される表情は空間にミッドセンチュリーライクな
ポップさをプラスしてくれる。

ぜひ店頭で実物の存在感に触れ、圧倒されてみてほしい。