1968年にHermanMiller社のもとで製品として世の中に
リリースされた「Chaise」
今回は「Chase」の誕生秘話について
お話させてください。

もともとはイームズ夫妻と親交のあった映画監督Billy Wilder
（以下、ビリー）のために制作された長椅子です。

映画の製作でばたばたと忙しない日々を送っていたビリーは
臨時的に用意した簡易構造の長いすで仮眠を取っていました。

ビリーのそんな姿に着想を得てか得ずしてか、、

イームズ夫妻は後に、この「Chase」をデザインすることと
なりました。

夫妻がビリーの仮眠を取る姿を目撃したのが1955年、
製品としてリリースされたのが1968年。

およそ１３年もの月日が空いていることから「Chase」誕生秘話の背景として友人ビリーの存在がどれほど影響したのかは不透明な部分ですが、
事実として確認されていることが一つ。

「Chase」が実際に形になったとき、
一番初めにそれを目にしたのがビリーであったこと。

実際のところはどうだったのか、
想像に耽りながら自分も「Chase」でうたた寝をする。

そんなひと時を過ごしてもらえたら嬉しいなと思います。

それというのも実際に寝転がってみると幅が思いのほか狭く、
腕は自然とお腹や胸の上で組むことになります。

眠りがだんだん深くなると組んだ腕が解けて落ちる。

その衝撃でパッと目が覚める。

ここまで考えられた動線が一脚に集約して敷かれている
こんなものにはつい”デザインの心”のようなものを感じます。

実物はMid-Century MODERNに展示していますので
皆さまも是非一度イームズ夫妻の思いやりをご体感ください。

Mid-Century MODERN
〒153-0042
東京都目黒区青葉台1-29-6 1F