
アイテム名Bachelor 3350 Lounge Chair デザイナーVerner Panton メーカーFritz Hansen

1953年にデンマークのデザイナーVerner Panton(ヴェルナー・パントン)によってデザインされた「Bachelor 3350 Lounge Chair」
氏の代表作として自身の名を冠した「Panton Chair」があまりにも有名であり、その印象から椅子のデザイナーとして認識する方も少なくないかもしれない。
しかし、チェアに限らずテキスタイルやライティング、ミラーやブックスタンドなど著名な作品を多数世に送り出しており、いずれもその評価は国境の枠や時代を越えてこの先も”デンマークの巨匠”という肩書きが外れることはないだろう。
そんな中この度当店が買い付けた「Bachelor 3350 Lounge Chair」は氏が手掛けた作品の中でも”隠れた名作”に位置づけられる、希少価値の高い一脚であると考えている。

シートハイが350mmでいわゆるラウンジチェアのカテゴリー。
それに合わせてシート幅も690mmと広めに設計されているため
着座時にはゆったりのんびりと過ごしてもらうことが前提であることが窺える。

イスに座ってのんびり過ごすためには、背もたれの角度が想像以上に重要であるが
この点についても、ご安心を。
デンマークのチェアは私たちアジア人にとっても親和性が高く
快適に座れるものであるとされている。
Bachelor 3350 Lounge Chairもご多分に漏れず
背もたれの角度がよく身体に馴染む。
座り心地の良いチェアとは、これらのような要因が複数重なって成し得るものと常々思うところである。
が、、、
このチェアの魅力というと、座り心地の良さといった面での実用性の高さだけでなく
軽やかでどこかスマートな印象を受ける外見的な美しさにも焦点を当てるべきだろう。
前述で「軽やかさ」というワードが自然と出てきたことについても後付け的に考えてみるとこのチェアの構造から連想される表現だったように思う。

ステンレス製の細いパイプで成型されるフレーム部分は、それぞれを抜き差しすることによって分解、組み立てができる構造になっている。
そしてこのフレームにキャンバス生地の座面を通して突っ張り、テンションがかかることで耐強度を持たせチェアとして成立させるといった仕組み。
リリース当初は、ホームユースに止まらず、アウトドアシーンにおいての使用も見込んだ商品として発表されたが故の、持ち運びができて簡単に組み立てられるといった設計である。


この簡易的な作りが功を奏す形となり、一脚のチェアとして醸す雰囲気が物理的にも印象値的にも「軽やか」で、実際に住空間に設置する際にほかのインテリアとのコーディネートにおいて汎用性の高さが窺える。

アメリカの某衣料品メーカーのスウェットシャツやパンツを古着屋さんで見かけると
赤いボディの個体には大概色褪せがあり、その”らしさ”のようなものこそかっこいいなと思う質である。
天然素材であるキャンバス生地の経年変化と相まって、事実このチェアにもまさに同じ感想をつい抱いてしまった。
※偏った側面からの一方的な感想を失礼しました(笑)

現在はアームレストが設けられたモデルが、デンマークのMontana社から現行モデルとして販売されている。
今回入荷した2脚の個体はどちらも、当時生産・販売の権利を有しFritz Hansen社から1960年代にリリースされたもの。
画像の通り、座面の裏には当時の正規品の証であるメーカーラベルが確認できる。
アイテム:Bachelor 3350 Lounge Chair
デザイナー:Verner Panton
メーカー:Fritz Hansen
品番:119240101063
価格:¥286,000-(税込)
※一脚当たりの価格です。
※ご配送の場合、送料を別途頂戴致します。
※実物はMid-Century MODERN Flagship Shopにて
ご覧いただけます。