MILKFED.×KenKagami

カルチャー、社会現象、時事問題、美術史などを題材に、ドローイング、彫刻、絵画、映像、パフォーマンス、インスタグラムなど様々な手法で、皮肉とユーモアたっぷりの作品を発表している現代美術アーティストの加賀美健さん。
世界各国の美術展に参加したり、代官山で「ストレンジストア」を展開するなど、幅広く活動している自身とMILKFED.のコラボレーションが実現!

加賀美健の脳内を、MILKFED.のアイテムに注入

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MILKFED.はカリスマが集まり
洋服を手掛けた先駆け

—加賀美さん自身は、MILKFED.に対してどのようなブランドイメージや印象を抱いていましたか?

ブランドが設立された1990年代は、X-girlなどと一緒にユースカルチャーを牽引する、知る人ぞ知る存在でしたよね。アイテムのサイズが小さくて、ピチT(※ピチピチのTシャツ)と呼ばれるほど流行ったりして。いつも雑誌「mini」などで特集が組まれるほど人気があったので、ショップに行ってもなかなか買えなかったことを憶えています。

—X-girlはソニックユースのキム・ゴードンが手掛け、そこでお手伝いをしていたソフィア・コッポラがMILKFED.を立ち上げたというバックボーンがあります。加賀美さんも、ブランド周辺のユースカルチャーには触れられていたのでしょうか?

そういったカルチャーも含めて大好きだったので、未だにそのイメージは持っています。信じられないほどカリスマ性のある人たちが集まって洋服を手掛ける、その先駆け的な存在でしたよね。

—今回のコラボレーションのオファーを受けた時、どんなインスピレーションをもとに制作を進めていったのでしょうか?

初期のブランドイメージやアイテムの特徴は脳裏にありましたが、MILKFED.の方々から「加賀美さんっぽい作風でお願いします」というオファーをいただいたので、いつもの自分を表現しようと思いました。好きなブランドと自分のアイデアが一緒になるということで、すごく自然な流れで進められました。

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いちいちツッコミを入れていく
加賀美流アート

—それぞれのデザインには、どんな意図やメッセージが込められているのでしょうか?

「MILKFED./ロゴ」に関しては、実際のロゴデータを見ながら書いてみたら“すごく隙間が空いているなぁ…”と思って。それと「FED.」って、どういう意味か本当に分からなくて(笑)。

「牛乳パック/グラス」は、やっぱりMILKつながりってことで(笑)。子供ってよく牛乳をこぼすし、実際にこぼしたら臭くなって、本当に“あーあ…”って気持ちになりますからね。「骨が強くなるから牛乳飲みなさい」っていうのも、子供の頃によく親から言われて、嫌々でも飲まなきゃいけない…みたいな。
とにかく、どのデザインもいちいちツッコミを入れていくという、僕らしい普段どおりの作風に仕上げました。

—ツッコミ・アートともいえるスタイルは、加賀美さんらしさのひとつですよね。その発想は、どのようにして生まれたんですか?

僕自身、子供の頃から何かに対してずっとツッコんできたんですよ(笑)。海外で作品を発表する時は英語で表現することが多いですが、日本で発信する時はやっぱり日本語が良い。というのも、日本語ってひとつの文章・言葉に色々な意味が含まれるじゃないですか? その行間から想像が膨らんでいくことで、クスッとしたり共感が生まれたりすると思っていて。それを《汚い手書き=加賀美フォント》で表現したらおもしろいかな、と。

—なぜ、手書きの手法を選んだのですか?

子供の頃から字が汚くて、親から「キレイに書きなさい!」と言われてきたんです。ただ、アーティストによっては、自分のサインも作品の一部になって高く評価されるケースがありますよね。であれば、僕の汚い文字も作品になればおもしろいなと。知らない人が見たら「何だこれ? この人がなぜオシャレなブランドとコラボできるの?」と言われちゃいますけど。でも、そう考えさせることもアートでは大事な要素なのかなと。
それと僕、パソコンが使えないんです。なので、手書きの作品は日本のメーカーの黒マジックでA4の紙に書いて、スキャンしたデータを送っています。今回もその流れで進めました。

—ワードセンスも独特ですよね。

例えば「今度、飲みにいきましょう!」と誘われても、実際は“ぜんぜん連絡が来ないなぁ…“って思うことがあるじゃないですか? 僕はそう思った瞬間に、一気におもしろさを感じてしまうんです。それを達筆で書いてしまうと悪意が出てしまうので、僕の汚い文字で哀愁を出せば、不快にならず許してもらえるかなと。というか、ふざけすぎているので、怒る気になれないかもしれませんけど(笑)。

ファッションもアートも
自由であることが大切

—これまでも数多くのファッションブランドとコラボしてきましたが、今回も含めてファッション関連のお仕事で意識していることはありますか?

僕はグラフィックデザイナーでも洋服のデザイナーでもないので、ファッション的な観点で良いデザインは考えられないんです。今回のアイテムも、洋服としてではなくキャンバスとして捉えて、どうしたらおもしろくなるのかを意識しました。きっと、見た人は“何だろう、このデザイン…??”ってなるはず。でも、ファッションもアートも自由であることが大切なので、今回のようなアイテムがあっても良いんじゃないですか(笑)。

—最後に「加賀美健×MILKFED.」のコラボアイテムを手に取る人たちに、どんな風に楽しんでもらいたいと思っていますか?

僕はすごく楽しかったですが、MILKFED.ファンの人たちはビックリしちゃいますかね?今回のコラボTシャツを着ていたら、逆にみんなからツッコミを入れられちゃったりして(笑)。どういう反応が生まれるのか、僕自身も楽しみにしています。

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加賀美 健

1974年、東京都生まれ。 社会現象や時事問題、カルチャーなどをジョーク的発想に変換し、彫刻、絵画、ドローイング、映像、パフォーマンスなど、メディアを横断して発表している。2010年に代官山にオリジナル商品などを扱う自身のお店(それ自体が作品)ストレンジストアをオープン。

10月 MISAKO&ROSENにて個展の開催を予定。
7月には、自身のお店ストレンジストアが10周年を迎える。

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